ビサニマ-BisAnima-


約50年ほど前に確立された死者蘇生の技術『ビサニマ化』によって蘇った者の総称。
12~45歳までを対象にしている。対象年齢外の者は対応していない。
ビサニマ専用素体と呼ばれる、有機素材を中心とした義体に、
死者の骨から作った『核』パーツをはめ込み、専用の機械に入れて起動することで
死者は生前と同じように活動を始める。
そのためビサニマ化は死後7日以内でないと対応していない。
何故なら亡くなってからしばらく経つと身体から魂が抜けきってしまい、
魂の宿った『核』を作ることができないからだ。
人間にできることは大体同じようにできる。
痛覚や味覚などの五感を感じることができるし、また肉体の成長も起きる。
ただし唯一、子を成すことだけはできない。
ビサニマにはタイプAとタイプBの二種類がある。
タイプAは生前の記憶がそのまま残る。
しかし専用素体と核の用意にかかる金額が非常に高い。
タイプBは生前の記憶がない。
しかしタイプAに比べて処置にかかる金額が安価である。
また、ビサニマ達は全員、胸元に『ビサニマの紋章』が刻印される。
タイプによって紋章の色は異なり、
タイプAは『赤色』、タイプBは『青色』
の紋章が刻まれる。
紋章のデザインについてはページ下部の資料を参照。
タイプAが高価なのは、元の身体に宿った記憶を抽出して素体の方に移す処理で
非常に手間がかかるためである。
タイプの違い(記憶の有無)に関係なく
生前の記憶や願望の最も強い部分が由来となった
異能『メモリア』を持つ。
活動を開始したビサニマは、誰に言われずとも
自身のメモリアを自覚できるらしい。
メモリアを使用する範囲・規模が大きかったり、使用回数が多くなるほどに
肉体・魂ともにダメージを負う。
そのダメージが蓄積すれば魂が消滅してしまうので
運用には注意が必要。
またビサニマの存在は一般的なものになっているが、
死者を蘇らせるという都合上、
倫理的、あるいは宗教的観念から拒否感を示す者も一定数居る。
しかし現在、テネブレという脅威に対して有効的な手段が
ビサニマの能力しか存在しないため、
否定派も認めざるを得なくなっている。
なお、本作の舞台であるリーブラダムは肯定派が多くを占めている。
ビサニマ達はそれぞれの地域の管理協会内で暮らし、
またいくつかの義務を背負うものの、それ以外の行動に制限はない。
家族に会うのも自由である。
ただし家族と上手くいかずに会わなくなってしまった者もいるとか。
特に記憶のないタイプBにはその傾向が高いようだ。
異形『テネブレ』が都市内に出現した場合は
テネブレと交戦・討伐することを義務付けられている。
また交代制で班を組み、定期的に都市の見回りにも行かなければならない。
見回りには協会職員も同行する。
他にも、定期的な健康診断や
個人の能力に合わせた戦闘訓練を受けなければならない等
背負う義務は多い。
またビサニマが学生である場合、
本人の希望に合わせて生前と同じ学業に就くこともできるが
それにも時間の縛りがあるなど、様々な制限が課されている。
それらの制限により生じる損害への補填として、
管理協会はビサニマに様々なサービスを提供している。
また、テネブレ対策への従事に対する報酬として、
毎月少なくない額が振り込まれる。
テネブレ戦は、テネブレ出現の通報を受けた管理協会からの要請で
原則『3~5人以上』のビサニマで討伐任務にあたるようになっている。
いくらメモリアがテネブレに有効であっても、
テネブレも弱いわけではない。
付け加えるならば、テネブレによって攻撃されたビサニマ達は
一般人と同じく、死ねば二度と復活できない。
戦闘時は通信端末を身につけ、
それによって職員から指示を受けたり等のやり取りを行う。


下段の青い紋章:タイプBビサニマの紋章